006.『ハレとケの間(あいだ)にある間(ま)を醸し出して捉える』写真家の小町さん

グラビア全盛期、数々のタレントや女優を撮影し、雑誌の表紙を飾り、時代の「ハレ」を写してきた男です。

華やかな世界。 成功。 喝采。

しかし、出版不況とデジタル化の波が押し寄せ、
写真は“消費されるもの”へと変わっていきました。

売れても残らない。
評価されても、すぐに忘れられる。

その現実に直面したとき、小町さんは問い直します。

――自分は、何を撮るのか。 そこで辿り着いたのが、
「ハレとケの間(あいだ)にある間(ま)を撮る」という覚悟でした。

ハレ――人生の晴れ舞台。
ケ――日常の何気ない時間(継続)。

そのどちらも大切だと考えている、だけどそれだけではない
その“間(あいだ)”に見え隠れする、目に見えない瞬間。
それが間(ま)である。

幼少の頃の日曜日の食卓の温もりや父の背中。
家族の沈黙のなかにある安心と至福のとき。
遠い記憶からくる「間(ま)」の空気。

その何十年か後に沖縄で出会ったガジュマルの樹は、
彼に「間(ま)」というテーマを突きつけました。

一瞬を撮るのではない。

時間と、命と、思いを継承という形で撮る。

百年以上残すためのメッセージ写真集。
孫やひ孫、その先の世代へも伝えたい大切な一冊。 それは、写真家としての“次のステージ(祈り)”への宣言でもありました。

時代に流されるのではなく、 時代を超えるものを残す。

『ハレとケの間(あいだ)にある間(ま)を醸し出して捉える』
小町さんの冒険は、 写真の未来をかけた挑戦でもあるのです。